◆日本産業動物獣医学会での講演
(学会年次大会 奈良 H13年2月11日)

 当社の友村栄一獣医師は、日本獣医師会の依頼により、養殖漁業における獣医師の関与について奈良県で行われた学会年次大会(平成13年2月11日)「最近の話題」の部で発表講演を行いました。主旨としては『テクノ式防疫法(養殖魚に適した獣医的防疫法)』の効果性、安全性や養殖現場での現状や問題点について講演しました。
 獣医師が水産養殖業界で活動するのは、全国でも希なケースなので、多くの方々の参加を頂き、養殖漁業に対する獣医師のあり方について活発な意見の交換が行われました。
 そして養殖漁業を健全な産業に発展させるには獣医師の活動が必要不可欠になっているのではとの意見で一致しました。


■講演要旨■
 現在、産業動物(豚、鶏、養殖魚類など群飼育を主とするもの)の生産する食肉の量は、動物性蛋白資源としての供給食糧における非常に大きな割合を占めてきている。中でも養殖漁業における食肉生産量は近年めざましく牛、豚、鶏における食肉生産量を上回りはじめている。それに伴い畜産動物と同様に病気も発生しており、現場での対策として大量の抗生物質、サルファ剤、寄生虫剤、ワクチン、栄養剤、その他の使用が不可欠となっている。しかしながら生産現場において獣医師のような薬剤の効果性や適正な使用方法を理解している専門家の関与が非常に少ないので、産業動物(多頭羽飼育)としての防疫管理体制の考え方が浸透することがなく、養殖業界では薬業界の提供する薬を水産薬として養殖業者が購入し、自己の判断責任で使用しているのが現状である。そこで我が社では消費者、生産者有志(健全養殖推進会)からの要望、支援を得て養殖業者と診療契約を結び、畜産分野における専門的、獣医学的防疫プログラムを養殖漁業分野に応用することで、生産性、安全性の高い防疫を試みている。